Twitterでマンガを描いては投げ描いては投げ…な魚人系ヲポコ(@wopocco)です🐟
今回は思考実験漫画を描きました。
現実で年間90万人(令和元年は86万人)の人がこの状況です。
すぐ隣にいる人が苦しんでいるかもしれません。
学生・大人・性別問わず全ての人が「もし自分がこうだったら?」と考えるキッカケになれば幸いです。
4コマ漫画4本(16コマ)分です。
思考実験漫画【16コマ分】
読んで下さりありがとうございました!
身体の中で何が起こっているかわかる漫画
この「子宮の中の人たち」という漫画では、妊婦の身体の中の細胞を擬人化してせっせと働く姿を丁寧に描いています。
amazonの試し読みで結構読めるので興味がある方は是非読んでみると更に理解が深まります。
この漫画を描いた理由
よくTwitterでは妊婦に席を譲る・譲らない、産婦人科で付き添いの父親が他の妊婦を差し置いてソファに座っている等の話題で騒がしくなります。
この騒ぎを見るたびに思うのは
皆、妊婦はめちゃくちゃ死にやすい人って知らないの?
ということ。
過去に出産を経験した人でも、現在妊娠中の人ですら案外この認識を持っている人が少ない気がして描きました。
時代錯誤の制度についても知って欲しい
この国は恐ろしいことに1919年の大正8年に定めた法律で
「妊婦が産休に入れるのは出産予定日の6週間前から」
という内容をそのまま現代でも採用しています。
1919年から比べたら核家族化や共働きなどの環境変化があるにも関わらず、です。
特に医療の進歩も進んで胎児の異常を見つけやすくなったり、切迫早産で入院の判断のボーダーが下がったりもしているとも思います。
余程母体も胎児も健康体で運が良くなければ出産予定日の6週前まで働けません。
ではそこから漏れた妊婦はどうなるか。
突然の入院などで退職を余儀なくされたり、引き継ぎも満足も出来ずに突然産休に入ります。
でもこれってその女性本人が悪いことですか?
明らかに時代錯誤な法律にのっとって社会が動いているからですよね。
この背景を知るだけで、職場の妊婦さんに優しく出来たり、突然仕事が出来なくなった妊婦の自分を責める必要はなくなります。
是非、色んな人にこの事実を知って欲しい。
そう思って書かせて貰いました。
この漫画で私が一番言いたいこと
この漫画を読んで「妊婦を敬え!」なんて言うつもりは毛頭ありません。
妊娠出産にまつわる「現実に起こるリスク」が知られてなさすぎて、それによる排斥や軽視が横行しているんです。
なので少しでも事実をわかりやすく漫画で周知し、他人に優しくなれる社会を皆で作り上げたいと願っているのです。
男性は絶対自分が妊娠するわけがない、とわかっているので中々親身になれないかもしれませんが、妊婦と同じくらいの社会的弱者になる可能性はあります。
それが病気だったり、交通事故に遭って片足がなくなったりすることかもしれません。
自分がこんな状況になった時に、社会からどう扱われたいかを意識すること。
社会を作るのは大人だけでなく、生きている人全てで社会の空気や風土を作ること。
優しい世界に住みたいなら自分が弱者に優しくし、酷い差別を行う人にはNO!と声を上げることが大事だと伝えたくて日々漫画を描いています。
最後に
この漫画を中学校の道徳で使いたいという申し出を頂きました。
これからの社会を担う子どもたちが自分の身体について、身の回りの人が起こり得る状況について想像を巡らすキッカケになれれば描いた甲斐があります。
ただしこの漫画で中学生に伝えきれない部分は補足としてこの辺りも伝えたいと私は思います。
男子
●女性は妊娠出産というコストを持っていること
●軽率にセックスしたいと思っている人もいるかもしれないが、自分の持つその欲望で相手を命の危険に晒したり思い描いていたキャリアを閉ざす暴力性を持っていることを自覚すること
●自己責任論や弱者を大切にしない世の中は、回り回って自分が弱者の立場になった時にとても辛い世界ということ
女子
●この漫画に描かれているような妊娠の症状は大袈裟ではなく現実にセックスをすれば自分の身にふりかかると知ること
●セックスをすることは男性にとってはただ気持ちいいだけで終われるが、女性にとっては命も人生も左右する(更に18歳以下の妊娠出産は死亡率も高くなる)ので身体が育ってから、きちんと避妊の管理を自分も相手にもさせることが出来るようになってからにすること
●もし避妊に失敗した時はアフターピルを72時間以内に処方して貰えれば避妊ができること。望まぬ妊娠をした際に中絶までのタイムリミットはかなり短いこと。親に言えなくても相談する場所が用意されてること
●妊娠出産育児はとても大変だけど、きちんと妊娠出産コストを理解してその差を埋めようと人一倍頑張って妻のために動いて寄り添えるパートナーとならとても幸せなイベントになること
この辺りは性教育や人権教育の分野になってきます。
以前幼少期から伝えたい性教育の漫画も描きましたのでこちらも合わせてご覧ください。
産む、産まないどちらの選択をしても自由だし、そのどちらかを選んだ人に反対の意見を押し付けることをしてはいけない。
これは特に我々世代~大人が肝に銘じておきたいことですね。
この記事を読んで、少しでも視点が変わったり、見える世界が変わればいいなと思っています。
身近な誰かに伝えたい、と思って貰えたら是非お気軽に拡散・共有してやって下さい。
長々と読んで頂きありがとうございました。